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マージンコールってなんですか?
マージンコールとは「口座状況が危険である」という内容の警告連絡のことです。含み損(確定していない損失)があまりにも大きくなってきた際にFX業者から連絡がきます。
FXでは含み損(確定していない損失)が大きくなって一定のレベルに達すると強制ロスカットが発生します。強制ロスカットとは、その名の通り強制的にロスカット (損失を確定する行為) をするシステムです。
トレーダーの意志とは無関係に強制的に行われてしまうものですが、これによって損失は限定されます。強制的にロスカットをすることで、損失が大きく拡大する事を防いでいるのです。
(強制ロスカットについての詳しい説明は、『強制ロスカットって何ですか?』の記事を参照して下さい。)
強制ロスカットは強制ロスカットのレベルに引っかかると発生します。例えば、口座資金が10万円、強制ロスカットのレベルが30%の状況であった場合、含み損が-7万円になると強制ロスカットの発動条件を満たす事になります。
しかし、強制ロスカットはいきなり行われることはありません。その前に警告としてマージンコールの連絡がきます。マージンコールのレベルは強制ロスカットのレベルよりも手前に設定されているので、強制ロスカットよりも先にマージンコールの連絡がきます。 (例:強制ロスカットのレベルが30%のとき、マージンコールのレベル50%)
そのレベルになると、FX業者から電話やメールで「口座の損失が危険なレベルにまで拡大しています。」という連絡が来るのです。これがマージンコールです。
マージンコールの連絡方法
マージンコールの連絡手段は電話かメールですが、一般的にはメールで行われます。連絡先は自分で登録する事ができますが、マージンコールをメールで受け取る場合は注意点があります。
登録するメールアドレスは、常に新着メールを確認できるアドレスを使用しましょう。マージンコールは「口座の状況が危険になっていますよ!」というFX業者からの警告の連絡です。そのため、マージンコールを受けた後は迅速に行動しなければなりません。
例えば、パソコンのメールアドレスを登録していた場合、マージンコールが届いても着信に気が付かない可能性がありますよね?そのような事にならないために、より着信に気づきやすい携帯電話などのメールアドレスを使用した方が賢明だと思います。
マージンコールを放置すると?
マージンコールは、口座が危険な状態になっていますよ、という警告です。マージンコールの連絡が来るという事は、損失が膨らみ過ぎて口座が危険になっている状況であるという事を理解しましょう。マージンコールが掛かってきたら、なるべく早く解除するようにしましょう。
マージンコールを解除するには?
マージンコールは証拠金に占める含み損の割合が一定以上になったために発生します。例えば、マージンコールのレベルが50%であれば、証拠金が10万円、含み損が5万円の状態になるとマージンコールが発生します。
そのため、その割合を一定以下にしてやればマージンコールは解除されます。具体的な方法は次の2つです。
◆ 証拠金を追加する 口座に追加で入金すればその分証拠金が増えます。
マージンコールのレベルが50% 証拠金が10万円 含み損が5万円 の状態における含み損の割合は、
5万円/10万円 = 0.5 = 50% です。
この状態になるとマージンコールが発生します。 ここに追加で証拠金を10万円入金すると、 含み損の割合は
5万円/(10+10)万円 = 0.25 = 25%
となります。 入金することでマージンコールレベルの50%を下回ったので、マージンコールは解除されます。マージンコールを解除するだけならばもっと小額の入金でも可能です。しかし為替レートは常に変動しているので、それを考慮したうえで十分と思われる金額を入金しましょう。
◆ 含み損の原因となっているポジションを決済する ポジションとは何かの通貨を売買している状態の事です。 マージンコールが発生したという事は、大きな含み損となっているポジションがあるという事です。そのポジションを決済すれば損失が確定されるので、含み損はなくなります。損失は確定されてしまいますが、含み損がゼロになるのでマージンコールは解除されます。
◆ 他のポジションを決済して使用できる証拠金を増やす もしその他にポジションがあれば、それらを決済することでも使用できる証拠金が増えます。FXでは通貨を売買する際には一定額の証拠金が必要になります。
そのため、何かしらのポジションを持っていた場合には、一定額の証拠金が拘束されている状態にあります。
例えば、ポジションAを所持しており、それに必要な証拠金が1万円であったとします。この1万円はポジションAを所持するための証拠金として拘束されている状態になります。
ポジションAを所持して、 証拠金が10万円、含み損が5万円 の状態における含み損の割合は、 5万円/10万円 ではなく、 5万円/(10-1)万円 で計算されます。
このように、拘束されている証拠金は含み損の割合の計算に入らないのです。
ポジションを決済すれば、そのポジションを維持するために必要とされていた証拠金が解放されます。この場合では、ポジションAを決済すると、拘束されていた1万円の証拠金が自由になります。
決済することで含み損の割合は、5万円/10万円 となります。この方法で使用できる証拠金の割合を増やせば、マージンコールは解除されます。
マージンコールをさらに放置すると?
マージンコールを放置してどうなるかはその後の状況の変化次第です。状況が悪化すれば含み損は拡大し、さらに一定のレベルに達すると強制ロスカットが発生します。
状況がそのままであれば、一応は現状維持のままで大きな変化はありません。状況が好転すれば含み損が縮小し、とりあえず脅威は遠のきます。
このように、放置してなんとかなる可能性もゼロではありませんが、その場合でも注意しなければならないことがあります。
それは、FX業者によってマージンコールやロスカットに関する細かいルールが異なるということです。(FX業者によっては、より厳しいルールを使用しているところがあるのです)
強制ロスカットやマージンコールに関して、どの業者でも大まかなルールは大体同じです。
口座状況が危険になると、マージンコールが発生 ⇒その後さらに状況が悪化した場合は強制ロスカット
これは、健全なFX業者であれば全社に共通しています。 しかし、強制ロスカットのレベルや執行条件、マージンコールの解除条件などの細かな部分はFX業者によって違います。
一部のFX業者では、顧客の口座資金をより安全に守るために、マージンコールや強制ロスカットに対して他社より厳しいルールを採用しています。
例えば、「マージンコールが発生してから24時間以内にポジションが決済されない、あるいは一定額の証拠金が入金されない場合は強制ロスカットを執行します。」というルールを採用しているところもあるのです。
この場合だと、状況が好転して含み損が縮小したとしても、その後に何かしらの対処をしなければ強制ロスカットが発動する事になります。
このように、FX業者ごとに独自のルールを採用している場合があるので、取引を行う際には自分のFX業者の「ロスカット」や「マージンコール」に関するルールをよく確認しておきましょう。
マージンコールはすぐに影響が出るものではありませんが、FX業者からの警告であることは事実です。為替レートを見つめて含み損が縮小するように祈っていても状況は改善されません。マージンコールの連絡が来てしまった場合は、迅速に適切な対応をとりましょう。